食後に出てくるコーヒーみたいな黒いお茶の正体は?心と体を整える「韓国伝統茶(韓方茶)」の魅力

韓方茶

韓国料理店で美味しい焼肉やビビンバを楽しんだ後、ふと出された黒っぽいお茶。「なんだかコーヒーみたいな色とコクがあるけど、漢方っぽい香ばしさもあって美味しい!」と驚いた経験はありませんか?

これまでの記事で中国の奥深い茶葉の世界をご紹介してきましたが、お隣の国・韓国には、茶葉を使わない独自の「韓方茶(ハンバンチャ)」「伝統茶」の文化が根付いています。

今回は、あの「コーヒーみたいな美味しいお茶」の正体を紐解きながら、ノンカフェインで心と体を整えてくれる韓国伝統茶の魅力をご紹介します。

茶葉を使わない?韓国の「薬食同源」とお茶文化

食べることは、薬になる。

韓国には古くから「薬食同源(やくしょくどうげん)」という考え方があります。これは「毎日の正しい食事が何よりの薬になり、体を作る源になる」という思想です。

そのため、韓国の伝統茶はチャノキ(緑茶などの葉)から作られるものよりも、穀物、木の実、果実、木の根、漢方薬草などを乾燥させたり焙煎したりして煮出したものが主流です。ゆず茶や生姜茶もこの伝統茶の一種なのです。

あの「コーヒーみたいな味」の正体はこれ!食堂の定番茶

さて、皆さんが韓国のお店で出会った「コーヒーのように色が濃くて、香ばしいお茶」。その正体は、おそらく以下のうちのどれかです。

  • 決明子茶(ケツメイシ茶 / ハブ茶):
    マメ科の植物の種子(決明子)を深く焙煎したお茶です。視力を回復させる漢方として有名ですが、深煎りコーヒーのような強いコクと香ばしい苦味があり、日本では「ノンカフェインコーヒー」の代わりとして飲む人もいるほど。食後の胃腸をスッキリさせてくれます。
  • ドゥングレ茶(アマドコロ茶):
    ユリ科のアマドコロという植物の根を乾燥・焙煎したもの。韓国の食堂で「お水代わり」に出てくる最もポピュラーなお茶の一つです。麦茶よりも甘みがあり、玄米茶や薄いコーヒーのようなナッツ系の香ばしさが特徴です。
  • コーン茶(オクススチャ) / とうもろこしのひげ茶:
    焙煎したとうもろこしの実や「ひげ」を煮出したお茶。色は少し薄めですが、ポップコーンのような甘く香ばしい香りがし、むくみ解消に良いと女性に大人気です。

これらはすべてノンカフェイン。夜遅い時間の食事の後に飲んでも、睡眠の妨げにならないのが嬉しいポイントですね。

疲れた夜に。体を芯から温める本格派「双和茶」と「水正果」

食堂の定番茶の他にも、韓国の伝統茶屋(チャチプ)に行くと、さらに本格的な「韓方茶」やデザート茶に出会うことができます。憩いの時間に特におすすめの2つをご紹介しましょう。

栄養満点!真っ黒な薬膳茶「双和茶(サンファチャ)」

もしあなたが出会ったお茶が、コーヒー以上に真っ黒で、少しドロッとしていて、漢方の香りが強く、松の実やクルミが浮かんでいたなら……それは「双和茶」かもしれません。
シャクヤク、トウキ、桂皮(シナモン)、甘草などを何時間も煮込んで作られる、韓国の「飲む風邪薬」とも言えるお茶です。独特の苦みと甘みがあり、一口飲むだけで体が芯からポカポカと燃えるように温まります。

シナモンの甘い魔法「水正果(スジョングァ)」

焼肉などの脂っこい食事の最後に、冷たいデザート茶として出されることが多いのがこちら。色はコーラやコーヒーのように黒茶色ですが、生姜とシナモンをたっぷり煮出し、干し柿の甘みを加えたパンチのある甘辛い味が特徴です。お口の中をさっぱりとリセットしてくれます。

☕ 筆者のちょっとしたこだわり
私は仕事で少し疲れが溜まってきたな、と感じる夜には、迷わず温かい「双和茶」を選びます。漢方特有の香りは最初は驚くかもしれませんが、慣れるとこの香りを嗅ぐだけで「体が回復していくモード」に入るのがわかります。お湯に溶かすだけの粉末スティックタイプも売っているので、冬の夜の常備薬代わりにストックしていますよ。

おうちで手軽に「韓国伝統茶」を取り入れよう

日本の麦茶や緑茶も素晴らしいですが、韓国の韓方茶は「美容と健康をサポートする」という側面がとても強いのが特徴です。
おうちでのリラックスタイムに、香ばしい焙煎の香りやスパイスの力強い香りで、心と体を優しく労わってみませんか?

おわりに

今回は、コーヒーのような色と香ばしさを持つ「韓国の伝統茶」の秘密に迫りました。ご自身がお店で飲んだお茶の正体は見つかりましたか?

茶葉(チャノキ)の発酵を楽しむ中国茶とはまた違い、大地の恵みや植物の根を丸ごと味わう韓国のお茶。その日の体調や気分に合わせて、いろんな国の「お茶文化」を使い分けるのも楽しいですね。今夜も、素敵な憩いの時間をお過ごしください。